就業規則作成8つのポイント

1.常時10人以上の社員を使用する事業場では必ず就業規則の作成が必要です。
 事業場で働く社員の数が常態として10人以上であれば、就業規則は必ず作成しなければなりません。この場合、正社員のほか、パートやアルバイト等すべての者が含まれます。また、10人未満である場合には、就業規則の作成義務はありませんが、労働条件や職場で守るべき規律などトラブルを未然に防ぎ、明るい職場づくりに寄与するという役割からも作成することが望ましいでしょう。

2.就業規則はすべての社員について定めをすることが必要です。
 就業規則はそこで働くすべての社員について定めをする必要があります。例えば、契約社員やパートタイマーのように、正社員とは異なる勤務形態を定める場合、適用される個別の規定を作成することが必要になります。

3.就業規則に必ず記載すべき事項があります。
 就業規則には、何でも勝手に定めて良いというわけではありません。労働時間、賃金、退職に関することは絶対に記載することになっており、会社の制度、慣習、慣行についても記載する必要があります。
① 必ず記載しなければならないもの(絶対的必要記載事項)
(1)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、2組以上の交代勤務における就業時転換に関する事項
(2)賃金の決定、計算、支払い方法、締切り日及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(3)退職に関する事項(解雇事由含む)
② 会社に定めがあれば記載するもの(相対的必要記載事項)
(4)退職の定めをする場合の適用社員の範囲、退職手当の決定、計算、支払方法、支払時期に関する事項
(5)臨時の賃金等(退職金除く)及び最低賃金額に関する事項
(6)社員に食費、作業用品その他を負担させる場合、これに関する事項
(7)安全及び衛生に関する事項
(8)職業訓練に関する事項
(9)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(10)表彰及び制裁の種類、程度に関する事項
(11)その他、事業場の社員に適用される定めに関する事項
このうち、①の(1)〜(3)は必ず記載しなければならないもの(絶対的必要記載事項)として、労働条件の中でも特に重要な内容です。

4.就業規則の内容は、法令又は労働協約に反することはできません。
 就業規則は、その内容が法令又は事業場に適用される労働協約に反した場合、その部分については無効となります。

5.就業規則の内容は、会社の実態に合ったものとすることが大切です。
 就業規則を作成する際、職場の労働時間、賃金等の労働条件や規律などについての制度や慣行を整理し、改善したい点も含めて内容を検討することが重要です。また、作成後も必要に応じて見直し、常に実態に合ったものに変更していく必要があります。

6.就業規則作成、変更の際、社員代表者の意見を聴くことが義務づけられています。
 経営者が作成又は変更した就業規則に対して、社員代表に意見を聴いて、それを書面にまとめ、意見書を提出してもらいます。ここでいう社員代表とは社員の過半数から組織する労働組合がある場合には、その労働組合。労働組合がない会社では、管理監督者以外の社員の中から過半数代表者を選びます。

7.就業規則は、社員代表の意見書を添付して労働基準監督署に届け出ます。
 常時10人以上の社員を使用する会社において、就業規則を作成し又は変更した場合には、本社、支店等の事業場ごとに所在地を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。

8.就業規則は、社員がいつでも自由に閲覧できるようにする(周知)義務があります。
 就業規則は、社員の労働条件や規律を定めたものであり、社員全員に知らせておかなければ意味がありません。社員に配布をする。又は常時事業場の見やすい場所に掲示又は備え付ける。あるいはパソコンなどで必要なときに容易に見ることができるよう、社員への周知が義務づけられています。

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