価値観の違いはどこから?・・・エニアグラムにおける9つの先天的気質

エニアグラムとの出会いは、今から4年程前に”コーチング”の勉強をしていたときにさかのぼります。コミュニケーションでのタイプの違いを学習するため、全部で90問にわたる質問事項と課題の絵を描き、面接と何回ものセッションを通して、タイプの判定をしました。

エニアグラムとは、”円周上の9つの点を直線で結んでいる図形”のことで、人間の本質を「9つの異なる根源的な心のエネルギーの働き」によって分類し、自己受容と他者受容を深めるための心理学です。エニアグラムという言葉は、ギリシャ語に由来し、”9”という意味の「エニア」とグラフの語源で”グラム”とは「図形」を意味し、「9つのポイントを持った図」ということになります。

人間は誰でも、この9つのタイプのどれかに分類され、それぞれの異なる心のエネルギーは、無意識にその人の価値観を形成するものと言われています。
コミュニケーションにおいて、発する側と受け止める側のタイプの違いを理解することは、お互いの考え方の相違や価値観の違いを認識することができ、それがビジネスや日常生活の場においても、大変役に立つものとなるでしょう。
しかし、エニアグラムは単純に質問に答え、その答えからその人のタイプを決定できるほど簡単なものではなく、例えば、人間が持って生まれた気質に、その後の色々な経験を積み重ねながら、本来の自分を覆い隠す学習をしているため、なかなかその人の本来のタイプを見極めることは難しいところです。
そのため、色々なセミナーや学習の機会を通して、その人本来のタイプを見極めていくことになります。

エニアグラムの”タイプ”については、一言でいうと、下記に分類されます。

【1】・・・細部にこだわり公平で自制心が強い、完全主義者
【2】・・・世話焼きで心が温かく優しい、博愛主義者
【3】・・・手際がよく挑戦意識が強い、成果主義者
【4】・・・独創的なアイディアを持つ繊細な、ロマン主義者
【5】・・・冷静で論理的な思考を好む、合理主義者
【6】・・・誠実でバランスを大切に慎重に行動する、安全主義者
【7】・・・明るく社交的でプラス思考で行動する、楽天主義者
【8】・・・強さを尊び正義感あふれる行動的な、パワー主義者
【9】・・・包容力があり穏やかな性格な、平和主義者

私も4年前にエニアグラムと出会い、その後、色々なところで学習を継続しています。仕事上カウンセリングをする際など、その人のタイプを意識することがありますが、内省を促し、自己と他者の違いを認めることは、実際のところは本当に難しく、奥が深いものだといつも考えさせられます。

価値観の違いによるその人の感じ方、捉え方、考え方など、それぞれのコミュニケーションの違いを、エニアグラムによって納得、理解することもあります。また、企業や団体の研修などでは、エニアグラムを通して、どうしてその人がそのように考えるのか、受け止めるのか、それがわかった時の参加者の安堵感を見ると、その人が持っている変えようのない心のエネルギーにいつも新鮮な驚きを感じます。


自分自身を振り返ることで内省を深め、自己を知る大切さ。その人が何にこだわり、なぜそのような行動や考えに至るのかを知る上でも、また職場における上司と部下、同僚とのコミュニケーションやチームワークを考える上でも、エニアグラムはビジネスの場で役立つツールの一つだと思います。
その人の気質や価値観を知ることは、お互いのコミュニケーションにおける注意点を知ることができ、お互いのタイプを理解することで、相手を認め、自分をも相手に知ってもらうことに繋がるしょう。

ビジネスや日常生活において、コミュニケーションの大切さが問われるところです。少し違った角度から自己を見つめ他者を受け入れ、エニアグラムを通して自分自身を知ることも良い方法の一つかもしれません。

戸谷一彦 (平成24年7月6日)

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