人材採用について

社会保険労務士やキャリアコンサルタントの仕事をしていると、企業から採用や面接について聞かれることが多くあります。実際、私自身も採用や、面接官としてサポートをするなど人材採用に関する仕事をしています。

18歳人口がこれから、特に4年後(2018年)から急激に激減していくと言われていますが、これからは知名度のある企業は別として、大企業でも中小企業においても、人材の確保という問題が今以上にクローズアップされていくでしょう。

「どんな人を採用したいですか?」と企業の採用担当者に聞くと、その多くは、「いい人を採用したいです。」と応えます。では、「どんな人がいい人だと思いますか?」と尋ねると、具体的に社内で話し合った人物像が出てくるかというと、そうでもないことが多くあります。まずは、履歴書や職務経歴書をじっくり読むこと。そこからでも、その人の人物像、確認すべき点は数多く見えてくるはずです。そして採用したい人物像を確認し、それに応じた質問事項を検討し、社内でのロールプレイを実践することも必要となるでしょう。面接の場で質問を考えたり、面接官の感覚的なもので判断するリスクはなるべく避けたいものです(もっとも長年の勘で、人を見抜く感覚も捨てがたい大事な要因でもありますが。。。)。

私が面接官をする場合、よく最初に「自己紹介若しくは自己PRをしてください。」と言うことがあります。これには二つ理由があって、一つは、今までの仕事の内容や生活について、いかに短い時間で自分を表現できるかを見ること。二つ目は、面接官が本人の言葉を通して、もう一度履歴書や職務経歴書を確認できること。これらは面接において必要なことであると思っています。また、質問の項目は、その人が過去にどんな仕事や生活を経験したか、現在は何をして、それを踏まえて将来は何をしていきたいのかといった、過去、現在、未来という時間軸の中で、質問をしていくとその人の志望動機や考え方が見えてくることがあります。

面接の応えに正解はありません。面接はいかに相手とコミュニケーションを取っていけるか、応募者との間に良い人間関係を構築できるか、それには、いち早く相手の心のコップを表にして、相手とのラポール(信頼関係)を築けるかにかかってくるかと思います。それが出来たとき、相手も本音でこちらの質問に応えることができ、こちらも相手の考え方や価値観が理解できるようになるでしょう。

短い時間でその人を判断し、採用する作業は本当に難しいものです。しかし、事前の準備によって、ある程度採用に対する意識や技術は向上していくものだと思います。そして、採用は担当の面接官だけではなく、他の社員も含めて社内全員で採用に力を注いでいきたいものです。      戸谷一彦(平成26年7月21日)

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