職場におけるハラスメント対策セミナー

新宿区立角筈図書館セミナー

“職場におけるハラスメント対策セミナー”

~ハラスメントを生まない職場を目指して~

 

【日時】3月5日(土)14時~16時

【会場】角筈地域センター7階(新宿区西新宿4-33-7)電話:03-5371-0010

【講師】

T&Kマネジメントオフィス 代表 戸谷一彦

特定社会保険労務士、人事・キャリアコンサルタント

ファイナンシャルプランナー(CFP)

 

【対象者】

ハラスメントに関心のある方、どなたでも

 

【内容】

最近のハラスメント(マタニティーハラスメント、ジェンダーハラスメント、カスタマーハラスメント、リモートハラスメントなど)の動向、特徴を紹介するとともに、パワハラ、モラハラに焦点を当て、パワハラの事例、パワハラと指導、叱責の境界線、ハラスメントを受けない、しない、ハラスメントを生まない職場になるため等、その防止と対応策について説明します。

また、2022年4月より施行されます、中小企業へのパワハラ防止法についても、説明していきます。

 

・最近のハラスメントの動向、内容

・パワハラ、モラハラの特徴、事例及びパワハラ防止法

・パワハラと指導、叱責の境界線

・ハラスメントを受けない、しないための対処法

・ハラスメントを生まない職場になるために

 

新型コロナウィルスの感染防止における職場の対応

連日報道にもありますように、新型コロナウィルスの感染拡大が懸念され、事態収束についてはまだ先が見えない状況です。皆さんも不安な日々を過ごされているかと思います。まずは、自分たちができる、手洗い、うがい、咳エチケット(マスク着用の徹底)など感染拡大の予防に努めることが大切です。

会社によってはテレワーク、在宅勤務などが可能な職場もありますが、すべての会社が、そこまでの対応は難しい状況かと思われます。

しかし、会社として最低限の対応策を講じるためには、まず社員へ職場における注意喚起を行うこと、口頭若しくは文書にて案内を周知していくことが大切だと思います。

例えば(一例として)・・・

・通勤時のラッシュを避けるため、各自の判断で時差出勤を認める

 (ただし、所定労働時間を短くする対応とは異なる)

・外出時による直行・直帰を認めること(事前に所属長の許可を得ること)

・会社入口、業務のスペース、応接室前等にアルコール消毒剤を設置し、

 各出入りの際には必ず指先等の消毒を行う

・可能な部署において在宅勤務を認める

 在宅勤務を行う場合には、在宅勤務申請書を提出し、上司の承認を得る

・緊急性を要さない外出(取引先やお客様との打合せを含む)は差し控える

・社内会議については、原則〇〇人以下でのミーティングとする

 また、ミーティング時間は〇〇分以内とする

・お客様や取引先には、当社の新型コロナウィルスへの取組み対策として、

 丁寧な説明を行い、理解を得られるようにする

・下記に該当する場合は、すみやかに会社へ連絡のうえ、出社を控えること

 あわせて、都道府県に設置されている相談センター等に相談すること

※風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。

(解熱剤を飲み続けなければならないときを含む)

※強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。

※60歳以上の方及び基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

・その他・・・

 

なお、職場で時差通勤、時短勤務、休暇をとることで周りの社員が負担となることについては、事業主として他の社員への配慮とそれに伴う社員の協力が必要となります。

職場で不満、嫌がらせ等が起こらないよう、社内で相談窓口を設置し、要望、不安に思うことがあれば対応できるよう、職場環境の管理をお願いします。

誰もが初めてのケースで不安な日々とは思いますが、周りの社員とコミュニケーションをとりながら、前向きな思いをもって乗り越えていきたいものです。

1日も早い終息を願うばかりです。(令和2年3月1日)

最低賃金が改正されます。

最低賃金引上げ額は「平均25円」で過去最大の上げ幅に! 

◆  引上げ額は全国平均で25

7月27日に開催された厚生労働省の第49回中央最低賃金審議会において、今年度(平成29年度)の地域別最低賃金額改定の目安が公表されました。

今年度の引上げ額の全国加重平均は25円(昨年度24円)、改定額の全国加重平均額は823円(同798円)となっています。

◆  全都道府県で20円を超える目安額に

各都道府県に適用される目安のランクは以下のようになっています(都道府県の経済実態の応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を示しています)。

【各都道府県に適用される目安】

・  Aランク(引上げ額26円)…埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県

・  Bランク(引上げ額25円)…茨城、富山、長野、静岡、京都、広島など11府県

・  Cランク(引上げ額24円)…北海道、宮城、群馬、新潟、岐阜、山口など14道県

・  Dランク(引上げ額22円)…青森、岩手、福島、鳥取、長、鹿児島、沖縄など16県

全都道府県で20円を超える目安額となっており、引上げ率は昨年度と同じ3.0%です。

 

◆  改定は10月から

今後、各地方最低賃金審議会において上記の目安を参考にしつつ、それぞれの地域における賃金実態調査などを踏まえて、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します(10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定です)。

上記の目安額通りに最低賃金が決定されると、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年以降、過去最高額となる引上げとなります(昨年度は18円)。

改正育介護法が10月より施行、育児休業期間が延長へ

◆  10月1日施行!

今年10月1日から「改正育児・介護休業法」が施行されますが、今回の改正により、保育園などに入れない場合の育児休業期間が最長2歳まで延長可能となりました

 

◆  「1歳6カ月まで」が「2歳まで」に

現在の育児休業期間は、原則、子が1歳になるまでですが、保育園に入れないなどの場合は1歳6カ月まで延長することができます。

それが今回の改正により、1歳6カ月までの育児休業を取得してもなお、雇用継続のために、子が1歳6カ月に達した後に休業することが必要と認められる特別の事情があるときは従業員から申し出ることにより、最長2歳に達するまで再延長することが可能となりました。

例えば、12月で1歳6カ月までの育休が終わってしまうのに保育園に入れないという場合でも、比較的保育園に入りやすい4月まで育休を取得できるようになれば、やむを得ず退職するということが防げるようになります。

延長が認められるのは、保育園へ入ることができない場合だけでなく、子の養育を行っている配偶者が病気等により子を養育することが困難になった場合なども対象です。2歳までの育児休業の申出は、1歳6カ月到達日の翌日を育児休業開始予定日としなければならないこととされていることから、遅くとも1歳6カ月到達日の翌日の労務提供開始時刻までに行わなければなりません。なお、今回の改正に伴い、育児休業給付金の給付期間も2歳までとなります。

「労働時間等設定改善方針」及び「育児・介護休業指針」の改正

◆  10月1日より適用

年次有給休暇や子の看護休暇・介護休暇を取得しやすい環境整備を推進するため、「労働時間等設定改善指針」および「育児・介護休業指針」が改正され、10月1日より適用されています。

いずれも企業に対して義務を課すものではありませんが、「配慮」等が求められていますので、それぞれのポイントをご紹介いたします。

◆  「労働時間等設定改善指針」の改正点

< ポイント1 >

「地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう配慮すること」が盛り込まれました。

< ポイント2 >

「公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討すること」が盛り込まれました。

< ポイント3 >

「仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること」が盛り込まれました。

 

◆  「育児・介護休業指針」の改正点

「子の看護休暇及び介護休暇について、労使協定の締結をする場合であっても、事業所の雇用管理に伴う負担との調和を勘案し、当該事業主に引き続き雇用された期間が短い労働者であっても、一定の日数については、子の看護休暇及び介護休暇の取得ができるようにすることが望ましいものであることに配慮すること」が盛り込まれました。

キャリアドッグ制度の普及拡大化

厚生労働省は平成30年度、企業内において節目ごとに定期的なキャリアコンサルティングを実施する「セルフ・キャリアドック」の普及拡大加速化事業に着手する方針である。

すでに、モデル企業14社の選定を終え、実施結果に基づく導入マニュアル、モデル就業規則を
今年度中に作成する予定となっている。
30年度に、同マニュアルなどを用いた普及拡大に努める。
東京と大阪に、キャリアコンサルタントを配置した拠点を設けて、企業を訪問支援するとした。 

労働新聞社  平成29年11月 

※キャリアドッグ制度におけるキャリアコンサルティングを、T&Kマネジメントオフィス(キャリアコンサルタント戸谷一彦)が担当しています。お気軽にお問い合わせ下さい。

W杯”なでしこジャパン”の健闘

なでしこ(女子サッカー)がWカップ準優勝。今回も全国に感動を与えてくれた選手達。決勝戦では米国に圧倒されてしまいましたが、“今回はファイナルまではなんとか行くんだ”という佐々木監督の言葉にもありましたが、選手たちも「ファイナル進出」という思いは強かったと思います。前回惜敗した米国はホイッスルと同時に凄まじい攻撃、前回の決勝戦で負けた4年間のその思いが一気に爆発した試合だったと思いました。

なでしこの特徴はチームワークです。身体的に不利な部分を「和」の力で最大限生かしたチームです。ピッチに立つ選手も控えの選手も優劣がなく、一つの目標に向かってチームを作り上げた監督や宮間選手はじめ、各選手には本当に学ぶところがたくさんあると感じました。

一方、日本社会における働き方に目を向けると、同じように、日本でも長く培われた国民性である「和」の力が重視されています。「個」の力は大切ですが、「個」が「弧」になっては、やはりうまくいきません。

今回の米国のサッカーは「個」の力はもちろんのこと、チームの中の「個」の力が「和」となり、一つの目標に向かう強さを発揮した結果だと思います。まさに日本が目指していたチームを作り上げた感じでした。

会社の中では、個々の社員の能力や成果を重視することは大切なことだと思います。しかしながら、一人ひとりが目標に向かい同じ方向へ進むことができたとき、チームとして今以上に大きな力を発揮することになるでしょう。目的意識を常にもち、そのための目標を設定し、その思いを社内で共有できたとき、会社として、また人間としても大きく成長していけるのだと思います。 戸谷一彦(平成27年7月7日)

笑いと健康

先日、横浜商工会議所主催の講演会がありまして、パシフィコ横浜に出かけて行きました。講演会は、横浜商工会議所が主催する会員の集い(第1部講演会、第2部交流会)で、今年は三遊亭円楽師匠が「笑いと健康 ユーモア コミュニケション」というテーマでお話されました。

円楽師匠は、ご存知のとおり「笑点」に長年出演していて、テレビや独演会など数多く出演し活躍されている落語家です。私自身、この数か月忙しく、休みもあまり取れない状態でしたが、落語に興味もあり、久々にリラックスした時間を、その軽妙な語り口とお笑いで、楽しく過ごさせていただきました。

師匠の講演の中では、今の時代、皆、「個(弧)」を持つようになってきた。それはいいことかもしれないが、「昔は家庭が一つ、同じ時間が流れていた。昔はみんな一緒の時間。今は家族でもそれぞれ別の時間が流れている」という話が印象的でした。昔の団らんとは家族が一緒にいることでありましたが、今は家の中で、別々の時間を過ごしている。なるほど、昔の人に比べてストレスも多くなり、家族の中でも言いたいことが言えない状態が、今の世の中であると言われたことが納得です。

闘わなければならないことは、闘うこと、しかし闘うことの必要がないストレスからは、逃げることも大切である。いい意味で、「あきらめる」という選択も必要で、イライラしない自分をもつことが大事で、それには心にプラスの感情のスイッチを持つこと。笑顔で人とつながることができれば、老いを遅らせることができる。それが、「笑いが健康にいい」と言われる所以だということでした。そういえば、松竹芸能で落語を身近に感じてもらえるよう、「笑育(わらいく)」と言う、お笑いを通じてコミュニケーションを向上してもらおうといった講座が、オンライン上で開講されたことがありました。笑いのエッセンスがコミュニケーションや健康に役立つということですね。

私も人前で話をすることが多いので、講演会での師匠の話し方、間の取り方はとても勉強になりました。言葉の抑揚がうまくユーモアとつながって、笑いを誘っているその話し方は、やはりプロ。さすがでした。夕暮れの横浜で、落語独自の人物のやり取りの口調を思い出しながら、帰りは、“みなとみらい”の夜景を見ながら、中華街で家族へのお土産を買って帰路に就いた一日でした。

戸谷一彦(平成26年9月15日)

企業研修で思うこと

昨年から今年にかけて、企業や団体からの研修の依頼が増えてきました。教育にかけるお金や時間を増やしていこうという傾向は、景気の回復も少しは影響しているのかと思いますが、採用してすぐ社員が辞めてしまうことについて、企業側も人材の育成を本気で考える時期になったということも大きな理由だと思います。

私自身、年間100回を超えるセミナーや研修の講師を担当していますが、新入社員の研修から経営幹部の方々まで多種多様なニーズや目的で研修の依頼を受け、目的に応じた研修プログラムを提供しお話させていただいています。

 特に最近の研修の特徴として、以前は新入社員であれば、ビジネスマナーや社会人としての心得などが中心でしたが、新人のうちからコミュニケーション力や組織における仕事の進め方、上司や管理職の方々については、どうしたら人材を育成できるか、組織を活性化するかなど、具体的な事例によるテーマを取り上げて、研修をする機会が増えてきました。上司や管理職の方々が、現代の若者の気質、考え方が十分に理解できないといった声も多く、現場で、少し声を上げて注意したら次の日から社員が出社しなくなった。上司の対応が部下にパワハラと勘違いされたなど、相手に注意をされる機会や叱られる経験が少なく、ネット社会で育ち、SNSがコミュニケーションの主流を占める現代の若者にとっては、相手を目の前にしてコミュニケーションを取ることの難しさは大きな問題となっていることは間違いありません。

 私は、研修というのは、こちらが(講師)が一方的に話すことではなく、自分の「思いや考え方」を相手に伝え、相手の考えや思いを受け止めることだと考えています。研修テーマに関する理論や実践を話すことはもちろんですが、私の研修では、その時間の多くをグループでの話し合いに費やします。一人ひとりが感じたこと、考えたことを話してもらい、お互いその考え方や価値観を共有し、自分の中に気づきを得られるような進め方をしています。他人の意見を受け止め、それをどう自分の考え方や行動に落とし込んでいくか、価値観や考え方が腑に落ちたとき、人は素直にそれを受入ることができるからです。

私が研修を通して感じることは、自分の意見は言える(発信)が、相手の意見をどう聴く(受け入れる)ことができるか、それを苦手と感ずる人が多くなっているということです。これは、若い社員だけなく、管理職や幹部の方々にも感じることです。

例えば、「きく」という漢字は、「聞く」(耳できく)、「訊く」(言葉、口できく)、「聴く」(耳と目と心できく)と、よく言われますが、普段の何気ない会話は別としても、職場においてお互いがコミュニケーションをとる必要があるとき、相手の言わんとすることを全身で「聴く」ことが必要だと思います。相手を否定することではなく、相手の目を見て、うなずきながら、自分の言葉で確認しながら、共感をもって相手に接すること。それは、良く思わない相手に対しては少し難しい対応かもしれません。しかし、相手は口だけで発信しているのではなく、その態度、表情など体で発信しているのです。心から相手を理解しようと意図して対応することが大切なことなのです。その当たり前の基本的な姿勢が、お互いの考え方や価値観を共有し、相手を受け入れることの大切さにつながると思います。仕事を通じて人は成長していきます。その一つひとつの仕事の意味、大切さを上司は部下にじっくりと理解させていくこと。話し合うことで時間はかかるかもしれませんが、情報や考え方の共有化を組織の中で相互に理解し合うことができたとき、組織は今以上に力を発揮します。心が揃うことで組織力が高まり、お互いが一つの目標に向かうことができたとき、コミュニケーションの問題は解決していくのだと思います。

戸谷一彦(平成26年8月3日)

人材採用について

社会保険労務士やキャリアコンサルタントの仕事をしていると、企業から採用や面接について聞かれることが多くあります。実際、私自身も採用や、面接官としてサポートをするなど人材採用に関する仕事をしています。

18歳人口がこれから、特に4年後(2018年)から急激に激減していくと言われていますが、これからは知名度のある企業は別として、大企業でも中小企業においても、人材の確保という問題が今以上にクローズアップされていくでしょう。

「どんな人を採用したいですか?」と企業の採用担当者に聞くと、その多くは、「いい人を採用したいです。」と応えます。では、「どんな人がいい人だと思いますか?」と尋ねると、具体的に社内で話し合った人物像が出てくるかというと、そうでもないことが多くあります。まずは、履歴書や職務経歴書をじっくり読むこと。そこからでも、その人の人物像、確認すべき点は数多く見えてくるはずです。そして採用したい人物像を確認し、それに応じた質問事項を検討し、社内でのロールプレイを実践することも必要となるでしょう。面接の場で質問を考えたり、面接官の感覚的なもので判断するリスクはなるべく避けたいものです(もっとも長年の勘で、人を見抜く感覚も捨てがたい大事な要因でもありますが。。。)。

私が面接官をする場合、よく最初に「自己紹介若しくは自己PRをしてください。」と言うことがあります。これには二つ理由があって、一つは、今までの仕事の内容や生活について、いかに短い時間で自分を表現できるかを見ること。二つ目は、面接官が本人の言葉を通して、もう一度履歴書や職務経歴書を確認できること。これらは面接において必要なことであると思っています。また、質問の項目は、その人が過去にどんな仕事や生活を経験したか、現在は何をして、それを踏まえて将来は何をしていきたいのかといった、過去、現在、未来という時間軸の中で、質問をしていくとその人の志望動機や考え方が見えてくることがあります。

面接の応えに正解はありません。面接はいかに相手とコミュニケーションを取っていけるか、応募者との間に良い人間関係を構築できるか、それには、いち早く相手の心のコップを表にして、相手とのラポール(信頼関係)を築けるかにかかってくるかと思います。それが出来たとき、相手も本音でこちらの質問に応えることができ、こちらも相手の考え方や価値観が理解できるようになるでしょう。

短い時間でその人を判断し、採用する作業は本当に難しいものです。しかし、事前の準備によって、ある程度採用に対する意識や技術は向上していくものだと思います。そして、採用は担当の面接官だけではなく、他の社員も含めて社内全員で採用に力を注いでいきたいものです。      戸谷一彦(平成26年7月21日)

私にとってのキャリアカウンセリング

 新卒者の就職活動が盛んに行われる季節となりました。今回は、日頃、キャリアカンセラーとして仕事をしている中で、私自身が感じている、キャリアカウンセリングについてお話したいと思います。

 まず、1つ目ですが、基本的なことですが、相談者の話しをよく聴くこと(傾聴の)大切さです。

 私自身が初めてカウンセリングした時のことです。企業に勤める30代の女性が、これからどうやって自分の生き方を探していけばよいかわからないということで、相談に来られたことがありました。当時はまだキャリアカウンセラーの資格を取って間もない自分でしたが、その人の思いや気持ちを受け止めることを大事に考え、ひたすら傾聴することを心がけていました。

 私自身の経験、自己開示もしながら、どうしてそういう気持ちになったのか、これから相談者自身がどうしていきたいのか、何回か話をしていくその中で、最後に「こんなに自分を素直に見つめる時間が持てたことはありませんでした。 一緒に話を聴いてもらい、これから、自分は何をしていきたいのか、目指していきたいのかを考えられそうな気がしてきました。本当に有り難うございました。」と、笑顔で話をされたことを思い出します。そのとき私はただ、話を聴いていただけだったかもしれません。しかし、関心を持って相談者と向き合うこと、傾聴することの大切さを知ることができたカウンセリングでした。

 2つ目は、自己の経験や自己概念の開発を通して、個人のキャリア形成にかかわる支援をすることの大切さです。

再就職相談会でのことでした。相談に来られた女性は今まで正社員としての経験がなく、20年近く専業主婦をしていました。夫と離婚し、子供は中学生ということでしたが、生活のため、何か仕事をしなければいけないという思いで相談にこられました。どちらかというと、当初、その女性は否定的な自己概念を持つ傾向にある方で、今まで専業主婦でやってきたこと以外、自分が社会で何ができるのか、何もできないのでは、という思いがありました。

 しかし、専業主婦の仕事を聞いてみると、子供と地域社会のつながりを通してボランティア活動をしたり、色々な世話役を買って出た経験を思い出し、もしかしたら人とのコミュニケーションを活かして、人や社会に役に立てることができるかもしれない、自分でもやっていける仕事があるかもしれない、何かが見つかる可能性があるかもしれない、という思いを持つことができました。

 離婚という思わぬ環境の変化の中で、どんなに厳しい状況であっても、新たな環境との繋がりを模索していけるよう、相談者自身が自己概念の成長を図れるような支援をしていくことの大切さを認識しました。

 3つ目は、目的をもって何かをすることの大切さを、一緒に考え、自立を支援していくことです。

私が学生や若年者へのカウンセリングにおいて感じることです。

よく、「これから役に立つ資格は何ですか?」「どんな仕事が自分に向いているのでしょうか?」と聞かれることがあります。私であれば、社労士なので、「その資格は難しいですか? 儲かりますか?」などと聞かれることがあります。

 資格をとることも必要かもしれませんが、でも、「何で、その資格を取るの?」「資格を取って何がしたいの?」と聴いたとき、ほとんどの人が資格を取った後のことを話すことができません。

 しかし、本当に考えてもらいたいのは、資格を取って自分は何をしたいのか、自分はなぜその仕事をしていきたいと思うのか、その目的や思いです。目的があってこそ、そこから目標や行動が生まれます。

 なぜ、自分はそう思うのか、そう考えるのか、そこに自分自身の自己概念があるはずです。そこでは、相談者への経験に対する問いかけや、その意味を考えていけるようなカウンセラーの働きかけも必要になるでしょう。

 それを導くことも、カウンセラーとして自己概念を成長させる支援につながるものだと思います。

  私にとってのキャリアカウンセリング、①傾聴の大切さ、②自己の経験、自己概念の開発を通して、個人のキャリア形成にかかわる支援をすること。そして、③目的をもった生き方、働き方を一緒に考え、相談者の自立を支援していくこと。

その3つのことを考えながら私自身キャリアカウンセラーとして、これからも、その人の人生の側面から支援をしていきたいと思っています。

戸谷一彦(平成26年3月3日)

懐かしき高校時代

 毎年、高校時代のバスケット部(男子、女子)の仲間を中心に、年に一度集まって旧交を深めています。今年は新年会として約20名ほどのメンバーが六本木のレストランで集まりました。高校時代の私はバスケット部に所属。公立高校で、決して強い部ではありませんでしたが、東京都でベスト16にあと一歩で届かなかった、思い出があります。そんなクラブでしたが、当時は走れ走れと練習漬けの毎日。先輩後輩の上下関係も厳しくて、学校の廊下で上級生を遠くで見かけたら、どんな時でも必ず大きな声で挨拶(チワッス!)。体育会系そのままを絵に描いたような学生生活でした。特に1年の時は、高校があった浜田山から井の頭公園までの往復約10kmの道のりを走り、そのあと筋力トレーニングやダッシュ、体育館に戻って声出し、ボール拾いなどなど。。。。

 今のように練習中水は飲めず、練習が終わった瞬間に全員、水飲み場へダッシュした思い出があります。入部してしばらくはボールを使っての練習ができず、中学から行ってきたスポーツでしたが、当初、これは大変なクラブに入ってしまったと後悔したものでした。辞めていく部員もいましたが、最後に残ったこのメンバーは絆も強く、卒業して何十年たっても、今だに毎年交流を深めています。いつもは新宿でおこなっていましたが、初めて六本木で開催。今年も楽しい時間を過ごすことができました。話はいつも同じような話しばかりですが、その当時を思い出して、同じところで笑って、騒いで、今では当時の部員以外にも、毎年バスケット部の人間に関わった懐かしい友人も来てくれて、あっという間に、当時の高校生の顔に戻ることができました。

 よく他の友人から、「本当にバスケット部は仲がいいよね〜」と言われますが、あのとき辛かった練習を一緒に乗り越え、でも純粋で真っすぐな思いで毎日を過ごしていた日々は、私にとってかけがいのない時間であり、その時を一緒にすごした仲間だからこそ、何時会っても本音が言える、お互いに分かり合える友人でいられるのだと思います。

 今年も二次会はカラオケへ。いつもように70年代から80年代にかけての歌のオンパレード。皆、最近の歌は歌えないし、いいオジさん、オバさんになっていますが、今年も皆元気で来年も笑顔で会うことができますよう、一年を過ごすことができたらと願わずにはいられませんでした。

戸谷一彦(平成26年2月1日)

眠い目をこすりながら“ニッポンがんばれ!”と毎日のように応援し、夢と感動を与えてくれたオリンピックが終わりました。日本を応援しつつ、何か世界が一つになったそんな思いを感じた17日間でした。

今回の勝利者インタビューで気づいたことは、多くの選手が、支えてくれた人々への感謝の思いを述べていたこと、そして個人競技でも団体競技でも“チームの和“というものの大切さを話していたことです。

この大会に向けてきた思いや、それをサポートしてきた周りの人々、選手一人ひとりの戦いへの過程のその姿を知れば知るほど、オリンピックにかけてきた人たちの思いが感動となって私たちの心に突き刺さってきます。メダルの一つひとつの向こう側にそれぞれの歴史があるように、敗者一人ひとりにもこの舞台に到達するまでの長かった道のりを感じることができました。

水泳の入江選手がメドレーリレーで言っていた27人が繋いだメダル。“水泳は27人が一つのリレーをしている。だから、最後の選手がタッチするまでリレーは終わらない”という思いで勝ち取った銀メダル。

なでしこジャパンの宮間選手がカナダ戦を前に控え室で皆に言った言葉“五輪メンバーに選ばれることのなかった選手たち、バックアップメンバーとしてチームに帯同しながらピッチに立てない選手たち、日本から応援してくれる人たち、スタジアムに駆けつけ、熱い声援をくれる人たち、すべての人たちのために、18人全員が力を合わせて戦おう”。特に考えていたわけではないという言葉でしたが、円陣を組んで、皆の顔を見て、ここに立つことの幸せを感じ、その思いをみんなで共有したかったという思いは、仲間の絆の素晴らしさを、試合中も試合後も画面を通してはっきり感じることができました。

会社組織もこんなふうにお互いを思い、感謝の気持ちで日々の生活を大切に生きることができたら、仕事をとおして自分の役割や生きがいを感じられる強い組織を作ることができるのにと、思わざるをえませんでした。

バレーボール女子では、かつて東洋の魔女とよばれ、その後世界のトップに君臨してきた日本でしたが、その後低迷してきた時代をようやく払拭するような選手たちの頑張りは、見ている者を純粋に感動させる十分すぎるほどの活躍でした。そこには、何年もの間この日を待ち望んでいた人々の思い、多くの人たちがその瞬間を夢見てきたことがよくわかります。解説者の大林素子さんが、勝利したとき“止まっていた時間を選手が動かしてくれた”といった言葉が印象的でした。

4年に一度のオリンピック。今回の大会は、今まで以上に、スポーツをとおして国が一つになり、世界がひとつに繋がることの素晴らしさを私たちに伝えてくれたと思います。

それにしても、最後に村田選手、米満選手が金メダルをとってくれたものの、やっぱり日本女性強し。草食系男子に肉食系(?)女子、多くの女性が同世代の女性の活躍に勇気や希望を感じた大会だったかもしれません。

さて、オリンピックは終わりましたが、これからもう一つのオリンピックが始まります。そう、パラリンピックの幕開けです。今大会もどんなドラマ、感動が生まれるか楽しみです。 

戸谷一彦 (平成24年8月14日)

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