眠い目をこすりながら“ニッポンがんばれ!”と毎日のように応援し、夢と感動を与えてくれたオリンピックが終わりました。日本を応援しつつ、何か世界が一つになったそんな思いを感じた17日間でした。
今回の勝利者インタビューで気づいたことは、多くの選手が、支えてくれた人々への感謝の思いを述べていたこと、そして個人競技でも団体競技でも“チームの和“というものの大切さを話していたことです。
この大会に向けてきた思いや、それをサポートしてきた周りの人々、選手一人ひとりの戦いへの過程のその姿を知れば知るほど、オリンピックにかけてきた人たちの思いが感動となって私たちの心に突き刺さってきます。メダルの一つひとつの向こう側にそれぞれの歴史があるように、敗者一人ひとりにもこの舞台に到達するまでの長かった道のりを感じることができました。
水泳の入江選手がメドレーリレーで言っていた27人が繋いだメダル。“水泳は27人が一つのリレーをしている。だから、最後の選手がタッチするまでリレーは終わらない”という思いで勝ち取った銀メダル。
なでしこジャパンの宮間選手がカナダ戦を前に控え室で皆に言った言葉“五輪メンバーに選ばれることのなかった選手たち、バックアップメンバーとしてチームに帯同しながらピッチに立てない選手たち、日本から応援してくれる人たち、スタジアムに駆けつけ、熱い声援をくれる人たち、すべての人たちのために、18人全員が力を合わせて戦おう”。特に考えていたわけではないという言葉でしたが、円陣を組んで、皆の顔を見て、ここに立つことの幸せを感じ、その思いをみんなで共有したかったという思いは、仲間の絆の素晴らしさを、試合中も試合後も画面を通してはっきり感じることができました。
会社組織もこんなふうにお互いを思い、感謝の気持ちで日々の生活を大切に生きることができたら、仕事をとおして自分の役割や生きがいを感じられる強い組織を作ることができるのにと、思わざるをえませんでした。
バレーボール女子では、かつて東洋の魔女とよばれ、その後世界のトップに君臨してきた日本でしたが、その後低迷してきた時代をようやく払拭するような選手たちの頑張りは、見ている者を純粋に感動させる十分すぎるほどの活躍でした。そこには、何年もの間この日を待ち望んでいた人々の思い、多くの人たちがその瞬間を夢見てきたことがよくわかります。解説者の大林素子さんが、勝利したとき“止まっていた時間を選手が動かしてくれた”といった言葉が印象的でした。
4年に一度のオリンピック。今回の大会は、今まで以上に、スポーツをとおして国が一つになり、世界がひとつに繋がることの素晴らしさを私たちに伝えてくれたと思います。
それにしても、最後に村田選手、米満選手が金メダルをとってくれたものの、やっぱり日本女性強し。草食系男子に肉食系(?)女子、多くの女性が同世代の女性の活躍に勇気や希望を感じた大会だったかもしれません。
さて、オリンピックは終わりましたが、これからもう一つのオリンピックが始まります。そう、パラリンピックの幕開けです。今大会もどんなドラマ、感動が生まれるか楽しみです。
戸谷一彦 (平成24年8月14日)