鈴虫の思い出

鈴虫の思い出

 

8月末に2日間の短い夏休みをとり、妻と二人で京都へ行ってきました。東京は秋の気配が漂い肌寒く感じる季節となりましたが、京都は相変わらず残暑厳しく、天気も良く久々に色々なお寺を巡ることができました。

私は、毎年仕事で年に2~3回京都へ行く機会がありますが、妻が修学旅行以来、京都へ行ったことがないということもあって、今回は京都へ足を運ぶことになりました。

南禅寺、銀閣寺、嵐山、祇園、建仁寺、清水寺、高台寺、三十三間堂、東福寺など、私にとっては何度か訪れたところばかりでしたが、その中で初めて訪れたお寺に“鈴虫寺”がありました。このお寺について、私はよく知らず、初めは行く予定もなかったお寺でしたが、子供からの要望で嵐山に行く途中、寄ってきたお寺です。

阪急電車で松尾大社にて下車し、歩くこと25分。日差しが厳しく照りつける中、少し熱中症気味になりながらお寺に辿り着くと、お寺に行く階段のところに大勢の人が並んで待っていました。何で中に入らないのだろうと訊いてみると、皆さんお寺の「鈴虫説法」を聴きに訪れているとのこと。若い女性の方が多かったですが、ときおり私達のような中年の夫婦も見受けられました。

鈴虫寺は正しくは妙德山 華厳寺と云うそうで、お寺の中には6~7千匹ともいわれる鈴虫が心地よい音色を醸し出し、その音色とともに、お寺の方が参拝に来られた方々へお話(説法)をして下さいます。全国から参拝に来られるこのお寺は、ひとつだけ願いをかなえに来てくださる“わらじを履いたお地蔵さん”があり、お地蔵様がいつもそばで守ってくれる“幸福お守り”が有名です。

住職のお話もユーモアたっぷりで、特に印象的だったのは、知識と知恵のお話。人と人とのコミュニケーションの大切さをお話いただきました。老若男女が聴きいってしまう、心に響くお話でした。

私も実はその昔、小学生の頃でしたが、家で鈴虫を飼っていました。最初は5~6匹を親戚から譲り受けたものでしたが、4~5年毎年のように孵化させ、最後はその当時、大きな火鉢5~6個にびっしりの鈴虫。数えたことはありませんが、数千匹はいたと思います。毎日、特に夜になると、一斉に鈴虫が羽を震わせ、音色を出すその様子は、都会では考えられないような、まさに別世界の感があり、本当に心地よいものであったと思い出されます。そういえば、小学校での研究発表会で代表として、他の学校の皆さんへ鈴虫についての研究発表をしたことを思い出しました。何十年も前のことですが、子供時代の思い出は鮮明に心に残っていました。

鈴虫寺に行ったおかげで、鈴虫の音色を聞くことができ、また、貴重なお話も聴くことができました。今年は、短いながらも本当に充実した夏休みを過ごすことができたと思います。

(戸谷一彦 平成27年9月1日)

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6380-3816

東京都新宿区の社会保険労務士事務所「T&Kマネジメントオフィス」です。
人事労務・社会保険のコンサルタントとして労働・社会保険の手続き業務を始め、就業規則・人事の制度設計に至るまで経営者の皆様とともに人事・労務の悩みを一緒に解決いたします。